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NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
NTTコム リサーチ結果 (No.255)
「クレジットカード」に関する調査
~クレジットカードはキャッシュレス決済利用で最多に。カードの使い分けは「ポイント」がカギ。~
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江)が運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」 (*)は、登録モニターのうち全国18歳以上の男女を対象に、「クレジットカード」について調査を実施しました。有効回答者数は1,121名でした。
総括
2018年頃から、総務省・経済産業省など政府が主導してキャッシュレス政策を推進していますが、2020年2月以降に蔓延した新型コロナウイルス感染症の影響で、「非接触で買い物ができる」キャッシュレス決済の利用が一段と進んだと言われています。そこで、本調査では、代表的なキャッシュレス決済手段である「クレジットカード」に焦点をあてて調査しました。
調査の結果、78.2%の人がクレジットカードを利用しており、48.2%がスマートフォン決済、42.1%がカード式の電子マネーを利用していることがわかりました。年齢層が高くなるほど、「クレジットカード」「カード式の電子マネー」の利用率が高くなる一方で、18-29歳の若年層では「デビットカード」と「スマートフォン決済」の利用率が全体平均より高い結果となりました。
スーパー、コンビニ、デパート、飲食店、交通機関などのシーンごとの決済手段をみると、キャッシュレス決済が現金決済を上回っているシーンが多いことがわかりました。スーパーマーケット等の日常的な買い物シーンでは、クレジットカード利用が55.1%、現金利用が46.1%、コンビニでは、スマホ決済が45.0%、現金が40.4%となっています。デパートや百貨店では圧倒的にクレジットカードの利用が多く69.2%を占めており、利用シーンに応じて決済手段が使い分けられています。
複数のクレジットカードを持ち歩く理由で最も多かったのは「ポイント機能がついているので店舗ごとに使い分ける(72.1%)」でした。また、キャッシュレス決済手段を使い分ける理由も「ポイントが貯まる(還元率が良い)」と回答した人が最も多いことから、クレジットカードをはじめとするキャッシュレス決済手段の使い分けは「ポイント」が決め手であることがわかりました。
調査結果のポイント
■「利用するキャッシュレス決済手段」で一番多かったのはクレジットカードで78.2%。年齢層が高くなるほど利用率が高い。
利用するキャッシュレス決済手段を訊いたところ、クレジットカードが一番多く78.2%だった。次いで、スマートフォン決済(48.2%)、カード式の電子マネー(42.1%)の順である。年齢層が高いほど、「クレジットカード」「カード式の電子マネー」の利用率が高くなった。
また、18-29歳のキャッシュレス決済手段非保有率は37.3%で、全体平均の13.2%を大きく上回る。非保有者を除いた18-29歳のキャッシュレス決済手段の利用率を見ると、「デビットカード」と「スマートフォン決済」の利用率が全体平均より高い。
■スーパーやコンビニ等、日常的な決済シーンで、キャッシュレス決済が現金決済を上回る。
スーパー、コンビニ、デパート、飲食店、交通機関など、日常的なシーンごとに、どのような決済手段を利用しているのか尋ねたところ、現金がキャッシュレス決済を上回ったのは「タクシー代の支払い」のみで、その他のシーンではキャッシュレス決済が現金決済を上回った。
シーンごとに細かくみると、スーパーマーケット等の日常的な買い物シーンでは、クレジットカード利用が55.1%、現金利用が46.1%である。コンビニでは、スマホ決済が45.0%、現金が40.4%、クレジットカード利用が27.9%となっている。
■クレジットカードの利用が多いのは、デパートや公共料金、飲食店の支払い。
クレジットカードを決済手段として使用する割合が高いシーンは、「デパート(69.2%)」、「公共料金の支払(84.6%)」、「飲食店(61.6%)」で62%となった。
また、「スーパー」の支払いでクレジットカードを利用している割合も55.1%で半数を超えている。
■クレジットカードをはじめ決済手段の使い分ける決め手は、「ポイントを貯めること」である。
保有するクレジットカードの平均は3.2枚、持ち歩くクレジットカードの平均は2.1枚となった。複数のクレジットカードを使い分ける理由で一番多かったのは「ポイント機能がついているので店舗ごとに使い分ける(72.1%)」で、次に多かったのは「割引や特典があるので店舗ごとに使い分ける(59.8%)」だった。また、最も良く使用するカードを使用する理由は「ポイントを貯めているから(71.7%)」が最も多い。共通して、「ポイントを貯める」ことが最大の理由になっている。
また、キャッシュレス決済を利用するようになった理由においても、「ポイントが貯まる(還元率が良い)」が最も多い。そのほか、「新たに自分がキャッシュレス決済手段を使うようになった」、「店舗等で決済手段が導入された」、「スマホがあれば現金(お財布)を持ち歩かなくても良いから」、「レジでの会計がスムーズだから」といった理由があげられた。
キャッシュレス化推進政策などの影響もあり、店舗や事業者側でキャッシュレス決済手段に対応できる環境が整備されたことによって、クレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済が消費者に浸透している。多種多様な決済手段が登場する中で、消費者に選ばれる決め手は「ポイントの魅力」であるといえる。
調査概要
調査対象 | 「NTTコム リサーチ」登録モニター |
---|---|
調査方法 | 非公開型インターネットアンケート |
調査期間 | 令和4年7月25日(月)~7月26日(火) |
有効回答者数 | 1,121名 |
回答者条件 | 18歳以上の全国男女 |
回答者の属性 |
調査結果データ
(1) クレジットカード等のキャッシュレス決済の利用は年代が高くなるほど高くなり、50代以上の利用率は9割を超える。
利用するキャッシュレス決済手段を尋ねたところ、クレジットカードが78.2%で一番多く、スマートフォン決済48.4%、カード式の電子マネー42.1%が続く。キャッシュレス決済手段を保有していないのは全体の13.2%だった。年代別でみると、クレジットカードの利用率は、年代が上がるほど増加し、18歳-29歳では51.4% で、60代以上では91.9%だった。
キャッシュレス決済を保有していないと回答した割合をみると、18-29歳で最も高く37.3%で、年代が上がるほど低くなる傾向にある。【図1】
【図1】利用しているキャッシュレス決済手段(年齢別)<MA>
(対象:全員)
【参考】本調査におけるキャッシュレス決済について
(2) キャッシュレス決済を利用する人の利用率で最も多いのはクレジットカードで90.1%。スマーフォン決済の利用は55.8%。
キャッシュレス決済を保有していない人を除くと、利用されている決済手段は「クレジットカード」が90.1%、次に「スマートフォン決済」55.8%、「カード式の電子マネー」48.5%だった。
年代別でみると、いずれの年代においても「クレジットカード」の利用が最も多いが、18-29歳では、「デビットカード」および「スマートフォン決済」の利用率が他年代に比べて高い結果となった。
また年齢層が上がるほど「カード式の電子マネー」の利用が多くなるといった特徴がみられた。【図2】
【図2】利用しているキャッシュレス決済手段(年齢別)<MA>
(対象:キャッシュレス決済を利用している人)
(3) 保有するクレジットカードの平均は3.2枚、持ち歩く枚数の平均は2.1枚。
保有するクレジットカードの平均は3.2枚、持ち歩くクレジットカードの平均は2.1枚で、保有しているカードをすべて持ち歩いているわけではないことが分かる。また、年代が高くなるほど、保有している枚数も、持ち歩いている枚数も多くなる。【図3】
【図3】保有するクレジットカード枚数の平均(年齢層別)<数値回答>
(対象:クレジットカード保有者)
(4) 複数のカードやメインカードの使い分けの決め手は「ポイント」。
クレジットカードを2枚以上保有している回答者に、クレジットカードを使い分けしているかどうか尋ねたところ、複数のクレジットカードを使い分けていると回答したのは54.9%、メインカードを1枚だけに決めていると回答したのは42.2%となった。【図4】
【図4】クレジットカードの使い分け<SA>
(対象:クレジットカードを複数枚保有している人)
複数のクレジットカードを使い分ける理由で一番多かったのは「ポイント機能がついているので店舗ごとに使い分ける(72.1%)」で、次に多かったのは「割引や特典があるので店舗ごとに使い分ける(59.8%)」だった。【図5】
また、最も良く使用するカードについて、そのカードを使用する理由は、「ポイントを貯めているから」が71.7%で最も多かった。【図6】
複数カードを保有して使い分けている人も、メインカードを決めている人も、共通しているのは「ポイントを貯める」ことが利用のモチベーションになっている点である。
【図5】複数のクレジットカードを使い分けする理由<MA>
(対象:クレジットカードを使い分けている人)
【図6】最も良く使うカードを使用する理由<MA>
(対象:クレジットカード保有者)
(5) 最も良く使用するクレジットカードのグレードの大半は81.8%で一般カード。
最も良く使用するクレジットカードの詳細について尋ねたところ、クレジットカードのブランドは「楽天カード」が最も多く、42.8%を占めた。【図7】
クレジットカードのグレードは、81.8%が「一般カード」で、「ゴールドカード」は16.5%だった。【図8】
クレジットカードの年会費は、「無料」が75.4%と大半を占めている。【図9】
また1か月あたりの平均利用額は、「1万円~3万円未満」、「3万円~5万円未満」がそれぞれ約20%ずつを占めており、次に「5万円~10万円未満」が13.6%となっている。【図10】
クレジットカードの付帯サービスを利用したことがあるのは全体の36.8%。最も利用経験が高いのは「ETCカード・家族カードの追加」で26.0%。一般カードより、ゴールドカードを利用している人のほうが付帯サービスの利用経験が多く、「国内・海外旅行損害保険」や「空港ラウンジ」の利用が高い。【図11】
【図7】最も良く使用するクレジットカード<SA>
(対象:クレジットカード保有者)
【図8】最も良く使用するクレジットカードのグレード<SA>
(対象:クレジットカード保有者)
【図9】最も良く使用するクレジットカードの年会費<SA>
(対象:クレジットカード保有者)
【図10】最も良く使用するクレジットカードの1か月あたりの利用額<SA>
(対象:クレジットカード保有者)
【図11】利用したことのあるクレジットカードの付帯サービス<MA>
(対象:クレジットカード保有者)
(6) クレジットカードを保有しない理由は、「必要がないから(62.7%)」。
クレジットカードを保有していない人(全体の21.8%)にその理由を訊いたところ、「必要がないから」が一番多く、62.7%だった。「使い過ぎる不安があるから」(18.9%)、「現金主義だから」(13.9%)と続く。【図12】
【図12】クレジットカードを保有しない理由<MA>
(対象:クレジットカード非保有者)
(7) スーパーやコンビニ等、日常的な決済シーンで、キャッシュレス決済が現金決済を上回る。
スーパー、コンビニ、デパート、飲食店、交通機関など、日常的なシーンごとに、どのような決済手段を利用しているのか尋ねた。調査した以下7つのシーンにおいて、現金がキャッシュレス決済を上回ったのは「タクシー代の支払い」のみで、その他のシーンではキャッシュレス決済が現金決済を上回っている。
シーンごとに細かくみると、スーパーマーケット等の日常的な買い物シーンでは、クレジットカード利用が55.1%、現金利用が46.1%、スマホ決済が31.6%で、コンビニでは、スマホ決済が45.0%、現金が40.4%、クレジットカード利用が27.9%となっている。デパートや百貨店では圧倒的にクレジットカードの利用が多く69.2%を占める。公共交通機関ではカード式電子マネー(交通系ICカード)の利用が46.0%で最も多い。
利用シーンや利用金額に応じて支払い手段を使い分けていることが推測できる。キャッシュレス決済の利用も進んでいるが、シーンによっては、未だ現金決済も多く残るケースがある。【図13】
【図13】利用シーンごとの決済手段<MA>
(対象:各シーンにて決済行為を行っている人)
以下、代表的な利用シーン(スーパーマーケット、コンビニ、飲食店、デパート)について、年代別の決済手段を掲載している。(その他のシーンについての調査結果はダウンロードで確認ができます)
【図13-1】スーパーマーケットで利用する決済手段<MA>
【図13-2】コンビニエンスストアで利用する決済手段<MA>
【図13-3】飲食店で利用する決済手段<MA>
【図13-4】デパートで利用する決済手段<MA>
(8) キャッシュレス利用促進の決め手は「ポイント還元」。
直近3年間において、政府によるキャッシュレス推進政策や、それに伴う事業者や店舗による決済手段の整備、新型コロナウイルスによる外出自粛など、消費者を取り巻く環境に変化があった。その中で、決済手段を変更したかどうか利用シーンごとに尋ねたところ、スーパーやコンビニエンスストア、飲食店において、15~20%が決済手段を変更していることがわかった。【図14】
【図14】直近3年間における決済手段の変化<SA>
(対象:各シーンにて決済行為を行っている人)
決済手段を変更した理由を、利用シーンごとに尋ねた。本レポートでは、スーパーマーケット、コンビニ、飲食店について調査結果を掲載している。決済手段を変更した理由として、「ポイントが貯まる(還元率が良い)」が各シーンに共通して最も多く、「新たに自分がキャッシュレス決済手段を使うようになった」、「店舗等で決済手段が導入された」等、キャッシュレス決済が浸透してきたこと、「スマートフォン決済の手軽さ」や「会計・レジがスムーズ」等の利便性に関する回答も目立つ。
キャッシュレス決済の利用が浸透する要因として、「ポイント」が重要な要素になっていたことがわかる。【図14-1~3】
【図14-1】スーパーマーケットで利用する決済手段を変更した理由<MA>
(対象:スーパーマーケットにおいて直近3年間に支払手段を変更した人)
【図14-2】コンビニエンスストアで利用する決済手段を変更した理由<MA>
(対象:コンビニにおいて直近3年間に支払手段を変更した人)
【図14-3】飲食店で利用する決済手段を変更した理由<MA>
(対象:飲食店において直近3年間に支払手段を変更した人)
(9) 17.9%が、キャッシュレス決済に関するトラブルに遭遇したことがあると回答した。
キャッシュレス決済に関するトラブルに遭遇したことがあるか尋ねたところ、82.1%が「トラブルに遭ったことはない」と回答した。残りの17.9%は、何らかのトラブルに遭遇していることになる。主な具体的なトラブル内容は、「第三者による不正利用(5.7%)」、「紛失・盗難(4.5%)」であった。【図15】
トラブルに遭遇した経験がある人にトラブルが解決したかどうか尋ねたところ、「第三者による不正利用」の経験を持つ人の78.2%が「キャッシュレス決済手段の発行会社等に相談してトラブルを解決した」と回答した。一方で、「解決しなかった」と回答した割合が1割を超えている。キャッシュレス決済により便利になる一方で、思わぬところでトラブルに巻き込まれる可能性もあり、利用促進にあたっては消費者に対する注意喚起とともに、事業者によるトラブル解決支援も欠かせない。【図16】
【図15】キャッシュレス決済において遭遇したことのあるトラブル<MA>
(対象:キャッシュレス決済手段保有者)
【図16】「第三者による不正利用」に遭遇した人の解決方法<MA>
(対象:第三者による不正利用トラブル遭遇経験者)
《 補足 》
<NTTコム リサーチについて>
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4つの品質保持(1.モニターの品質 2.調査票の品質 3.アンケートシステムの品質 4.回答結果の品質)を柱とした「クオリティポリシー」に基づく徹底した品質確保を行い、信頼性の高い調査結果を提供するインターネットリサーチとして、多くの企業・団体に利用されています。
<NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションについて>
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